タイ 
10日目(3/11)晴 -次の目的地は・・・-
タイの標識。

 外では早朝から相変わらずの大音量が鳴り響き,6時起床。熱帯地方だからか,うまくはいえないがGreatな国だ。朝食は目玉焼きがのったご飯+豚肉の片栗粉揚げ。ここで食べるペンシーさんの料理はこれで最後かと思うと寂しい。彼女の作った料理は本当に美味しかった(あとコーヒーも)。宿代は150バーツ(2人1泊)×3日+コーヒー代50Bで合計500Bと言われたが,感謝の気持ちとしてもう100B受け取ってもらった。彼女にしてみれば,そういうことはあまり嬉しくないかもしれないが。

 荷物をまとめ,8時過ぎに宿を出ようとすると,昨日道に迷って走ることができなかったポーンサワンさんお勧めの道を通って途中まで見送りしてくれるという。4人で記念撮影した後,ペンシーさんはポーンサワンさんのバイクの後ろに乗って出発!ダートを二人乗りしてしまう75歳の本当に元気なおばあちゃん&ポーンサワンさんのバイクに先導され(もちろん僕らの方が遅いの所々で待ってくれながら),ダートへと入る。昨日一昨日に走った道同様,周囲の田圃が本当に美しく,鳥もたくさんいて素晴らしい道。僕等にとって,アントーンは「何度でも来たい街」第1位といってもいいほど強く心に残る街になった。 309号線

 しばらく進み,北へと続く幹線道路「309号線」に戻ったところでポーンサワンさん,ペンシーさんとはお別れ。お別れといってもまた必ず来るから,涙は無し。それまで元気でいて欲しいと心から願う。以前ポーンサワンさんの宿には英国人の女性サイクリストが泊まったこともあるらしいのだが,「うちに来る自転車旅行者はniceな人ばかりでとても楽しいよ」と言ってくれ,方便であったとしても嬉しい限りだ。この3日間の感謝を伝えるのは難しいが,「Bye-bye!!」で大きく手を振り,出発。姫は泣いていた。僕は別れの際に涙を流すということはほとんどなく,むしろ何気ない一コマで泣けるタイプ。今回はペンシーさんと一緒に歩いたり,話をしたりしているときに涙がこみ上げてきた。また必ず来るよ!!

 さて,その後は309号沿いにあるWat Chaiyoに立ち寄り,ちょっと早い昼食。店の兄ちゃんにはギターを少し弾いてもらい,今日の目的地であるシンブリー(Sing Buri)へ進む。道は幹線道路のため決して楽しいとはいえないが,走りづらいわけではないので走行には問題なし。途中,走行中に道を歩いていたおばちゃんに呼び止められ水を頂く。僕等のペットボトルに入っている水はとっくに生ぬるくなっていたので,冷たい水はまさに奇跡の滴。おばちゃんに感謝し,道行く車や道路沿いの家からの呼びかけに笑顔で応えながら,昼前にはアントーンから北へ40キロほどのところにある「シンブリー」に到着。 道行く途中にあったブッダ像

 しかし,街に入った頃姫のタイヤがパンク。35℃近い中パンク修理はあまりにも酷。スペアチューブと交換し,修理は宿でする事に。市街地には13時過ぎに到着。309号線から東側に一本それると繁華街があり,かなりの規模だ。アユタヤーより大きいんじゃないだろうか。賑やかなメインストリート(?)を走ると,道沿いに旅社と古びたホテルを発見。更に進むと正面に古くて大きなホテル。その西側(繁華街から500メートルほどで結構静か)には改装したっぽいきれいなホテル(名前もCITY HOTEL)。ぱっと見で4つの宿を見つけたが,とりあえず一番無難そうなCITY HOTELで値段を聞いてみることに。フロントの兄ちゃん姉ちゃんは英語が通じず,ちょっと苦戦したがエアコンつきの部屋が300Bらしい。部屋は,シャワーの出はちょっと悪いけれどトイレはきれい,部屋も10畳くらいでテレビ付きとありいい感じ。自転車はフロント奥の倉庫(?)に置かせてもらえるとのことなのでここに決定。

 とりあえずシャワーで汗を流し,一息ついてからをして街へ出と繰り出す。ネットカフェは1カ所しか見つけられず(小さくて満員だった),ドーナツとパンを買って街を歩く。外国人旅行者はいないし英語も通じない,ありのままのタイの街だ。ちょっとしたデパート内をぶらぶらしたあとは,下校時刻ということで子供達でごった返す学校の横を通り,ホテルの近くにある電話局で実家に連絡し,一旦ホテルに戻る。18時を回り,涼しくなってきたところで夕食へ。屋台でチャーハンを食べ,ネットは相変わらず込んでいたので諦めてホテルに戻り,昼にスーパーで買ったお菓子とポッキーのパクリ商品を食べて23時前に就寝。走行距離は50キロ。

今日見た鳥
コサギ アオショウビン カノコバト チョウショウバト シロハラクイナ タシギ(?) アオアシシギ アジアコビトウ コサギ アカガシラサギ ヨシゴイ スキハシコウ タカサゴモズ オウチュウ インドハッカ オオハッカ ツバメ ミミジロヒヨドリ シキチョウ スズメ


11日目(3/12)晴時々曇一時雨 -ロッブリーへ-
道の途中にあった、のんびりした雰囲気の村。

 8時起床。エアコンは快適だが姫は頭痛がするという。僕もあまり調子はよくない。普段しないことをするので調子が悪くなるのは当たり前か。やはり,次からはファンの部屋にしよう。昨日買ったパンを食べて9時にホテル出発。英語は全く通じないホテルだったが,フロントの兄ちゃん姉ちゃんは気さくで笑顔が素敵。観光案内の看板とにらめっこしているとシンブリーの地図をくれたところなどにも好感が持てる,良いホテルだ。

 さて,今日はシンブリーの東にある「ロッブリー(Lopburi)」へ移動の日。シンブリーを北上するという考えもあったが,体力的なことを考慮して,北へはロッブリーから列車で輪行することにしたのだ。

 「311号線を32号線とぶつかるところまで進み,バンコク方面へ行くためジャンクションを越え,南へちょこっとだけ下るとロッブリー行きの道が出る」というのが手持ちの地図(lonly planet社の「THAILAND,VIETNAM,LAOS&CAMBODIA ROAD ATLAS」という百万分の一の地図。これより細かい地図は手軽には入手できない(?))から読みとった情報。 ワット・プラ・プラーン・サム・ヨートのサル達。

 ・・・しかし,32号を数キロ下ってもそれらしい看板は見えてこない。そしてこの32号線を走る車はまるでハイウェイ並。とはいえ,路側帯(バイクレーン)は2メートルほどあるので僕はそれほど恐怖感なく走ることができた。姫はめちゃくちゃ怖かったみたいだけど。

 問題の,ロッブリーへの分岐点は32号線に入ってから5キロほど進んだところだろうか,看板を見つけて道を折れる。あとはひたすら直進。途中フクロウの礫死体を発見したが,良いペースで走っていたので通り過ごしてしまった,無念。良いペースとは言ってもエアコンの影響か体調は優れず,ちょこちょこ小休憩をとりながらの移動。昼食はロッブリーに入ったところの食堂でチャーハン。もう何度も食べているがやはりうまい。トマトと炒めてキュウリを載っけるのはいいね!

 そしてロッブリー市街到着は13時前。今日の宿はホテル「Indra Hotel」と決めていたので地図で確認し,迷わず到着。ここロッブリーはアユタヤー朝時代に第2の都として栄えた歴史の街。そして今は街の至る所にいるサルに支配された「サルの街」。まあこれは冗談だが,ロッブリー中心部に来るなり,道沿いには犬のようにサルがたくさん出現して,ちょっとびっくり。仏教の「無益な殺生はいけない」という教えのため増えても増えても殺すことはできないようだ。

 さて,Indra Hotel は「ダブル,ファンのみテレビなし」が180B。部屋はきれいで静か。広さも結構あり,バストイレもきれい。ホテルの主人,奥さんも気さくで,申し分のないホテルだ。部屋数も結構ある。また,主人と奥さんは片言の英語が通じるので意志の疎通もしやすい。自転車はホテルの車庫に入れてもらうことに。1泊の予定だったが,これは連泊でもいいかな。 ワット・プラ・プラーン・サム・ヨート。3つの塔はロッブリーのシンボル。姫撮影(ワイドコンバージョンレンズ使用)。

 シャワーを浴びて一息ついた後は目の前にあるWat Phra Prang Sam Yot(ワット・プラ・プラーン・サム・ヨート)へ行ってみる(30B)。ロッブリーのシンボルである3つの塔があるのだが,実際はサルが大量にいるだけの味気ないワット。これに30Bはもったいないかな。欧米人のツアー客は10分と持たないで出ていった。僕等はもったいないので30分程いたのだが,暑さとサルが多さにただ時間を潰してしまっただけのような気がする。殺生はいけないからといっても,これでは増えすぎるばかりじゃないのかなあ・・・。

 その後は近くのマーケットへ。よさげな服が結構たくさん並び,活気がある。姫がタンクトップを買ったりしてぶらっとし,それからネットカフェヘ。ここには日本語IMEがなく,日記は英語でつけた。途中回線が切れ,30分ほど中断してしまったがそこは「マイペンライ(気にしない)」。日記を付けて復旧を待つ。外を見ると雨が降っている。これで少しは涼しくなってくれるかなあ。 食べ物をちらつかせるとものすごい剣幕で奪っていく。要注意。

 回線復旧後,日記を送信し,夕方になったのでナイトマーケットへ繰り出す。近くのスーパーで水やお菓子,そしてSINGHA(シン)ビール(タイのビールで長らくシェア1位をとり続けていたらしい。もっとも,最近は象印の安い「CHANG BEER」にその座を奪われたらしいが・・・)を買い,屋台へ。バミーナーム(いわゆるラーメン)を注文。この屋台は超美味しかった!焼き豚とあっさりしたスープに幸せを感じ,そしてビールの美味しいこと!いうことなしだ。

 そして帰る途中で焼き鳥を買い,ホテルに持ち帰って食べる。これまたうまい。食べてばっかりのようだが,自転車旅ではいくら食べても太らないのがやっぱり魅力。えっ,今回は全然走っていないって??まあいいのさ,旅に美味しい食べ物は欠かせないから!23時過ぎ就寝。明日はここにもう1泊して充電し,それから輪行でタイ北部の世界遺産「スコータイ」へ行くことに決定(毎日が充電のようだが,それは見なかったことにしましょう)。走行距離は30キロ。


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