対馬の旅
3日目(5/4) -激坂はつらいよ-
霧がひどいメインストリート

 雨の朝。予報はまた変わっているんだろうなあ。5時に起きたが雨のためなかなか出発できず。 こういうとき車なら問題ないけど,自転車では行く気が起こらない。のんびりと対馬の朝を過ごす。9時頃setifer達が鳥見ついでにやってきた。 この観察小屋周辺もポイントなんだよね。これができる前は今より多くの鳥が見られたらしいけど。 一般の人には「利用価値のない建物。無駄な公共事業」と思われても仕方ないような観察塔に観察小屋。 まあこの時期は多くの鳥見客で賑わうし,それがあっての観察塔建設だったのだろうから微妙なところだ。 今となっては「せっかくあるものだから利用する」という考えだが,建設以前だったら「いらない」かな。 いくら便利とはいえ,一時期しか利用客のいない(しかも特定の人のみ)建物を,(自然)鳥見ポイントを壊す形でつくっても嬉しくないからね。

 さて,setifer達は雨の中4時半から鳥見をしているらしい。おつかれさまです。成果は当然というか,だめらしい。 ここでしばし彼らと一緒に観察小屋周辺で鳥見。一緒にキマユホオジロなどを見た後,彼らはすぐ近くにある「メインストリート」へ行くというので 僕らは歩いていくことに。やはり,雨が上がりさえすれば気持ちいい。

アカガシラサギ

 メインストリートではツメナガセキレイやオオタカ(?)が見られた。その後雲行きが怪しくなってきたのでいったん観察小屋に引き返すことに。 帰る途中で,観察小屋で一緒だった夫婦に呼ばれる。「何だろう?」と思って行ってみると,そこにはアカガシラサギがいた。 昨日からいるという話は聞いていたが,実際にその姿を見ることができて嬉しい。もちろん初ヒット。おじさんのスコープを借りて写真を撮る。 そのあと小屋前で再びキマユホオジロ,それとコホオアカ。

 小屋で少し休憩し,買い出しのため昼前から佐須奈に向かう。あの急坂を上るのには抵抗があるが,まあ仕方がない。 1時間弱で到着と,予想より早かった。スーパーで食料調達。天気はすっかり回復し,昨日の雨が嘘のよう。ここで天気予報をチェック。 すると,明日以降また天気が崩れるらしい。ふぅ。結局今年のGWも悪天候なのね・・・。

 買い物を終え佐護に戻った後は,まだ時間があるので「対馬野生生物保護センター」へ行ってみる。 ここからは7キロ程度,すぐ着くかな。setiferには「あそこは一つ山を越えて,その次の山の上にありますよ」と言われたのが気になるけど,何とかなるでしょう。

 しかし,何とかならなかった。

棹崎公園下で見た褶曲

 途中までは海岸沿いの平坦な道で余裕余裕。しかし山道にさしかかると一変して激坂に。しゃれにならない。彼の言う通り,センターはいったん激坂を上り, そして下り,もう一度上ったところにある。傾斜は余裕で10%を越えているに違いない。井口浜よりきつい。何でこんな奥まったところに作るんだ。 あ,でも,車ならあんまり関係ないのか。文句を言っても仕方ないよね,自分たちは好きで自転車で来たんだから。途中でキビタキを見た。 オオルリは鳴いていたけれど見られず。

 センターの情報量はなかなか。やんばる&西表と,同系列のセンターに行って来たけれど,ここと西表の充実度はなかなか。 やんばるも頑張って!個人的にやんばるの保護センターは居心地が良くて好き。受付のおばちゃんとも顔なじみになったし。

 帰り際,昨日佐護でおっちゃんに言われた「シャワーが使える棹崎公園のキャンプ場」は,行ってみたが,思った通りシャワーはなかった。 というか,利用客いるのか?と思ってしまう。仕方ないので,佐護の運動公園の水道で髪を洗って我慢。今日は36キロ。でもかなり疲れた。 そうそう,運動公園そばの海岸でミサゴが海に浮かんでいた。杭などに止まっているのはよく見るが,海に浮かんでいるのは初めて見た。ちょっとびっくり。

今日見た鳥
アオサギ ダイサギ チュウサギ アマサギ コサギ アカガシラサギ オシドリ ミサゴ トビ ハヤブサ ツバメ ツメナガセキレイ  ヒヨドリ ウグイス(声) センダイムシクイ キビタキ オオルリ(声) コサメビタキ シジュウカラ メジロ ホオジロ コホオアカ  キマユホオジロ アトリ カワラヒワ スズメ ミヤマガラス ハシボソガラス ハシブトガラス


4日目(5/5) -夜は比田勝へ-

 朝は霧,霧の朝。5時半に起きたがこの濃霧の中での鳥見は厳しいと判断し,ゆっくり準備。 7時出発。とりあえずメインストリートに行ってみる。するとsetifer達がいた。なんでも,9時頃から午前中いっぱいなら車に乗せてもらえるということなので お言葉に甘えることに。9時までにはまだ時間があるので「一軒家」へと向かう。ここもかなりの鳥見ポイントらしいのだが,果たして今朝はどうだろう?

 到着すると,近くの家にいたおっちゃんが話しかけてきた。どうやら,今年は鳥見客が全然いないらしい。以前の盛況ぶりを聞かせてくれた。 実際に一軒家周辺は,雰囲気こそいいものの鳥は少ない。昨日はここでムギマキやウズラシギを見た人がいるらしいのだが,今朝は見あたらない。

田の浜のマナヅル

 小屋に戻り,setifer達の運転する車に乗って,サークルのみんなと一緒に佐護からちょっと南にある「田の浜」へと向かう。 途中で姫がカケスを見たのだが僕は見逃す。田の浜に着く前に,シマアオジが出たというポイントでしばし鳥見。 すると,シマアオジでなくシマノジコを見ることができた。どっちにしても初ヒットだし,きれい!

 その後田の浜ではマナヅルを見る。ブッポウソウが出ているらしいが,それはタイムアップで見ることができず。 小屋に戻り,昼食をとったあとは今日の寝場所を考える。本当は今日まで観察小屋にいるつもりだったのだが,明日の天気が「昼過ぎから雨」なため, 姫は早めに比田勝の方へ移動したいという。確かに,予報よりも雨が早く降り始めて,比田勝へ抜けるあの急坂を上ることになったら嫌だからなあ。

 ということで,今日のうちに比田勝へ移動することに決定。今日は交通量も少なく,坂も3回目だからだろうか,意外と楽に上ることができた。 途中河内の港でオオハム。ほんの10メートルくらい前を泳いでいた。ラッキー♪

 スーパーで今夜の夕食を調達。ちょっと豪華にネギトロ丼。ゴミは増えてしまうが,まあ気にしない(今回は観察小屋にゴミ箱がないことや, 短期の旅のためゴミは全て持ち帰った。ってそれが当たり前か)。トンネル付近でサンコウチョウの声を聞き,比田勝へ。とりあえず港へ行って夕食。 待合所が24時間あいているのならば今夜はここで過ごそうと思っていたのだが,9時前に閉められてしまった。ふぅ。

 仕方ないので近くのバス停へ。小屋風になっていてベンチは二人分の長さがある。ここならいけるかな?と思ったがそれは大きな間違いだった。 雨風避けられ扉も付いているが,目の前はゲーセン,横にはトイレ。比田勝で溜まり場といったらここしかないでしょうという場所で寝ようとしてしまったのだ。 案の定,外では若者が大勢集まって騒いでいる。ちょっかいを出してくるのは子供達。

「おい,あそこで人が寝てるよ。」
「自転車だ。二人いる。」
「何でこんなところで寝てるんだろう?」
「ほら,あれだよ,こうやって自転車に荷物積んで日本一周しながら,夜はこういうところで寝てるんだって。」
「そっかー。」
「ねえねえ,この人達女同士?」
「(姫が寝ている方にある窓越しに見て)う〜ん,こっちは女だ。」
「こっちの人も女?顔見えないよー。女かなぁ,女っぽい。」

 どうやら僕は女に間違えられてしまったらしい。 まあ,ちょっかいといってもその程度で,扉を開けて中に入ってきたりはしなかった。子供なら石を投げてきたりすると思ったんだけどね。 若者の方は,当然僕たちに気づいているとは思うけれど手は出してこない。駐車場周辺でタムロってる連中も,ゲーセンが閉まり(22時半くらい?) しばらくするとどこかへ行ってしまい,23時過ぎには静かになった。さすが離島,こんなに早く静まり返るとはびっくり。 おかげでそれほど睡眠不足にはなりそうにない。そうそう,実はこれがバス停野宿初体験だったりもする。 北海道では無料キャンプ場やライダーハウスが本当にたくさんあったからバス停に泊まる必要はなかったし,それ以外での旅も,公園や道の駅, 無人駅とかはあっても不思議とバス停はなかったんだよね。

今日見た鳥
オオハム アオサギ ダイサギ チュウサギ アマサギ コサギ カルガモ ミサゴ トビ ハヤブサ マナヅル コゲラ ツバメ ヒヨドリ  モズ ウグイス(声) オオヨシキリ オオルリ(声) サンコウチョウ(声) シジュウカラ メジロ ホオジロ シマノジコ カワラヒワ スズメ  ミヤマガラス ハシブトガラス 


5日目(5/6) -マットは必ず敷いた方がいい!-
鳴滝

 5時に起床。マットを敷いて寝なかったので体が痛い。反省。港へ行ってご飯を炊き,荷物を待合所に置いて7時出発。といっても今日は乗船時間までの時間つぶし。 出港は14時なので,それまで島の東部を舟志まで走ってみることに。天気予報は昨日と同じで「昼過ぎから雨」。午前中はもってくれそうだ。

 途中,対馬で一番の落差があるという「鳴滝」に立ち寄る。ここまで港から30分。その滝へはちょっとした遊歩道を通っていく。なかなかの滝だ。 写真を撮って,辺りを見回していると姫が何かに気づいた。

 「これ,見て。」

 姫の指さす方を見ると・・・
その先には遊歩道の手すりの上で所狭しとうごめく大量の毛虫が。そしてそのほとんどが手すりの上に集中している。道の上にはいない。 これにはちょっとまいってしまった。苦手なんだよなあ,こういうの。

うわぁ・・・

 気を取り直して舟志へ。ちょっとアップダウンがあるが,昨日まで走った道のことを考えれば全然大したことない。舟志ではしばし散策。 ホオジロハクセキレイ,カケス,コウライキジ,シマノジコ(♀)?などがいた。

 のんびりと辺りを歩いて,10時頃港へと戻る。昼食は港のすぐ側にある食堂で。僕はチャンポン,姫は皿うどんを注文。 野菜が半生だったりしたが自転車に乗っているときは何でも美味しい。自転車の旅って,なんて便利なんだろう,みなさんもそう思いませんか? 食べ物が何でも美味しく感じられるなんて,本当に素晴らしい!

 帰りの船は,行きとは違ってかなりすいている。自転車を船内に持ち込む余裕もあった。きっと,昨日帰った人が多かったんだろうなあ。 博多には18時半に到着。今回は短い旅だったがそれなりに楽しむことができたので良かった。ただ,対馬は広い。そして坂がきつい。 自転車で1週間以上かけて回るくらいでちょうどいい島だな。あとはなんといっても天気だよね。今度来るときは必ず好天時にするぞ。 2年続けてGWは雨にやられたからね・・・。

今日見た鳥
アオサギ ダイサギ アマサギ コサギ ツバメ コウライキジ イソシギ ウミネコ ホオジロハクセキレイ ヒヨドリ ウグイス(声)  ヤマガラ シジュウカラ メジロ ホオジロ シマノジコ(♀?) カワラヒワ スズメ カケス ミヤマガラス ハシボソガラス ハシブトガラス


  前頁 この旅日記TOPに戻る