'02北海道 
15日目(9/21) -2週間ぶりの千歳-

 4時半起床。今日は白糠から千歳まで輪行の日。白糠に止まる特急は朝一の列車。ところが僕はそれを朝二だと勘違いしていてさあ大変。急いでご飯を食べ,出発することに。ここ白糠の道の駅からJR白糠駅までは12qなのだが,急いでかっ飛ばしたら余裕で到着し,ほっと一息(というか,姫にかなり迷惑をかけてしまった。反省。)。

 白糠駅で列車を待っていると,乗客が続々とやってきた。今日はお彼岸連休の初日。移動する日を間違えたか。特急は指定席をとろうとしたが,満席らしく,自由席で我慢。釧路駅から乗れば自由席でも何とかなったのになあと思っても後の祭り。

 時間になり,列車が到着。しかし,待っているところに自由席がないではないか。「・・・間違えた!」。あほなことに乗る場所を間違えたのである。しかし自転車を持って走ることもできず,指定席の車両に乗り込み,デッキに荷物を置く羽目に・・・。それならばと車掌さんに「指定席空いてませんかねえ?」と尋ねる。すると,「ああ,あるよ。」との返事。ラッキー。荷物はデッキに置いて,無事座ることができた。

 千歳に着いたのは昼前。ここに来るのは2週間ぶりだ。心なしか涼しくなったような気もする。とりあえず青葉公園のキャンプ場へ。・・・とその前に昼食。この間と同じラーメン屋「味平」へ再び行ってみる。今日は「トリプル黒豚チャーシューの塩大盛り」。さっき列車の中でおにぎりを3つ食べたばかりだが,そんなこと気にしない。ラーメンも一気に平らげた。

 食後はこの間行かなかった「インディアン水車(千歳独自のサケ漁法。水車を使うのだ)」を見学して,すぐ横にある水族館「千歳サケのふるさと館」へ。さっき味平でもらった優待券を使い,640円で入館(普通は800円)。館内はイトウをはじめとする北海道の魚が展示されている。すぐ横を流れる千歳川に水槽を作り,館内から千歳川の様子をそのまま見ることができるというユニークな水槽もある。しかし,今日は残念ながらサケの遡上を見ることはできなかった。

 しばらく水族館でのんびりとし,その後青葉公園へ向かう。今日は人も少なく,のんびりとした休日といった感じだ。キャンプ場利用者はゼロ。何だか寂しい。テントを張り,「さあ銭湯へ行こう」と自転車をこぎ出すと,見覚えのある方が自転車でやってきた。

 「くさげんさん!」

 そう,初日の夜に,ここ青葉公園に差し入れを持って来てくださった千歳在住のくさげんさん(詳しくは初日の日記参照)が今日も顔を出しに来てくれたのだ。嬉しい再会。なんだか,あれから2週間も経ったなんて嘘のようだ。今日はプリンとハスカップゼリーを頂き,大感謝。話をしながら銭湯まで一緒に行き,そこでお別れ。次はいつ会えるのだろう。また来年是非とも来たいな。

 銭湯は,くさげんさんが幼少の頃からあるという「春日湯」370円。普通の銭湯だが,結構広くていい感じ。その後はポスフールで買い出し。今夜は北海道最後の夜ということで海鮮丼を作ることに。筋子とサケ,マグロ,あとはサッポロクラシックを買い込んでキャンプ場に戻る。さてと,明日は帰るだけだ。2週間はあっという間だなあ。

  夏空のようでも、季節は既に秋。


16日目(9/22) -北海道終了-

 今日で北海道も終わり。姫はこのまま福岡に戻り,僕は羽田に飛び,東京の妹の家に寄り,箱根峠を越えて静岡の実家に寄り,それから福岡へ帰る。荷物を減らしたいので,近くのクロネコヤマトでキャンプ道具などを福岡に送ってしまう。2500円,意外と安い。

 その後,36号線を通って新千歳空港へ。歩道から空港への入り口は,千歳側から行った場合結構わかりづらい。11時前に空港到着。空港内のお土産屋などを回って(千歳空港は広いね!福岡と同じくらいかなあと思っていたら甘かった),僕は13時の便で羽田へ。

どこまでも広大な北海道も今回はこれで終わり。本当にあっという間でした。

 2年ぶりに来た東京の天気は曇り。予報では雨も降りそうということなのでちょっと心配だ。モノレールで浜松町まで移動して,そこから出発。妹の家は北区にあるらしい。道はわからないが,いつものごとく「適当に行けば着くでしょう」という気楽なノリで走り始める。

 ところが,予想通り道がわからない。適当に走っていたら銀座に着いてしまった。休日の夕方,銀座はとてもではないが走るところではなかった(当たり前か)・・・。

 僕の中では,北区へ行くには荒川の河川敷を走っていけばいいという考えがあり,4号線を通って荒川へ。この河川敷は2年前にも走ったところで,非常に走りやすい道が続いている。河川敷を適当なところで離れ,近くのコンビニで地図を見る。

 ・・・めっちゃ遠回りしてるじゃん。

 まあ済んだことは仕方ない。雨の降る中,妹の家を目指し,着いたのは19時。しかし,妹は最近仕事が終わるのが遅いらしく,22時まで家の前で待つことに。妹の帰宅後ようやくくつろぐことができ,床に就いたのはのは25時過ぎ。明日箱根越えられるかなあ・・・。


17日目(9/23) -大苦戦!?箱根峠-

 5時起床。睡眠時間は3時間半程度だが,早く出発しないと間に合わない。5時半出発。昨日の雨はなんとか上がったようで一安心。東大の前を通って,1号線と平行に走っている15号線を通ることに。東京といえども早朝は空いていて快適に進む。

 横浜市内に入り,そこから1号線へ。ちょっとした坂道はあるが,そんなもの荷物の少ない装備ならへっちゃらだ。藤沢市に入ると,湘南方面へ向かう30号線に移る。湘南海岸に着いたのは10時過ぎ。3連休の最終日ということもあってか,凄いサーファーの数だ。数百人どころではない,軽く千人は超えている(海に出ている人だけで)。そんな海岸沿いにサイクリングロードはある。多少砂の入っているところもあるが,ほとんどが走りやすい快適ロード。天気もすっかり回復し,暑いくらい。

 その後は平塚をこえ,小田原を目指す。ただひたすらペダルをこぐ。もちろん楽しくはない。でも今日は箱根を越えるんだ。みんなが「きつかった」という箱根の峠。いったいどのくらいなんだろう。でも,「言うほどのことはないんだろうなあ」というのが登る前の気持ちである。

 小田原に着いたのはちょうど12時。ここでジャスト100q。なかなかのペースで走ってきた。というか,ここまでで体力をかなり消耗。やはり,睡眠時間は重要だ。

峠の途中にあった滝。

 そして,嫌なことに箱根周辺にだけ雨雲がかかっている。これは雨の上りになりそうだ。13時前にアタック開始。休日ということで箱根も類に漏れず人が多い。山を下りてくる車はかなりの渋滞。まあ,自転車ならそれほど関係ないけど。

 坂の傾斜は10%こそないものの,疲れもあってかなかなか進まない。ちなみに,僕は箱根の上りについて,傾斜は6〜7%,長さも10qはないだろうと思って登り始めた。

 2qほど登ったところですでにバテ気味になり,休憩。相変わらず山を下りる車は一歩も動けないようで,長蛇の列となっている。そんなドライバー達の目線を感じながら登る。これが北海道だったら声かけてもらえるのになあ。今日はなんとなく冷たく,白けた目線ばかりを感じる。ちょっとつらい。・・・すると,前の方で声がする。窓空けてラジオのボリュームをでかくしているのだろうか。「・・・ふるえながら〜のぼ〜っていく〜♪」おや?どこかで聴いた曲だ。そして,ちょうどその車の横を通り過ぎるとき,

 「ファイト!」

 そう,もうかなり昔になるだろうか,サラリーマンを励ます曲としても話題になった,中島みゆきの「ファイト」を僕に向けて歌ってくれていたのだ。しかも,歌っていたのは僕と同じくらいの若いカップル。感動した。それと同時に「よし,がんばるぞ!」という気持ちになる。単純かもしれないが,こういう声援は非常に嬉しい。彼らに手を振って先へ進む。

 ・・・しかし,道は長い。ものの2qと進まぬうちにまたバテてしまった。一体,どのくらい登れば終わるんだ。休憩中,近くにいたおじさんに「まだ半分以上ありますよねえ?」と聞くと「そうだねえ,あると思うよ」という返事。やっぱり。

 休憩をしていると雨も降り出す。「引き返して輪行しようかなあ」という気持ちも芽生えるが,そう簡単に諦めるのも嫌だ。飲み物を補給し,更に登る。途中,チャリダーともすれ違った。しかもママチャリ。すごいなあ。

 雨は次第に強くなり,本降りに。しかし坂はいっこうに終わる気配がない。寝不足のためか気分も悪くなり,途中のコンビニでしばらくダウン。狭い峠道をかなりのスピードで登っていく大型車から受ける精神的ダメージもたまったのだろう。歩道など当然あるわけないのでその恐怖はかなりのものだ。

 芦ノ湖へはとてもではないが寄る気がしなかったので素通りし,半分やけくそになりながら登り切ったのは15時過ぎ。国道1号線最高所の看板が見えたところで「やった!」とガッツポーズ。しかし,ここが峠ではない。しばらく下って道の駅へ。雨は更に強くなり,本降りどころか土砂降りになっている。これでは走れないな。雨が弱まるまで休憩することに。それにしても,登り初めからここまでの長さは15q。10qだなんて甘く見ていた自分が馬鹿だった。

 しばらくすると静岡側からスーパーカブが来た。今日は浜松から走ってきたらしく,「沼津辺りから雨が降り出したよー」とのこと。あらら。今日は沼津まで行ってそこから輪行しようと思っていたけど,雨なのか。カブの兄ちゃんと立ち話をし,雨が弱くなったところで別れる。時間は16時。

 残りは下り。雨の降る中下り続けること15q。まるで,去年の知床峠のようだ。ブレーキレバーは握りっぱなしなので指は痛くなる。神経使うし,下りも結構大変だ。

 下りきったあとは沼津駅へ向かう。雨は上がり,ようやくいつもの走りに戻る。駅に着くと,ダイヤが相当乱れていた。人身事故でもあったのかな?すると,さっきの雨が相当のものだったらしく,電車が途中で運転を見合わせていたとのこと。そんな中箱根を越えたんだぁ。実家に帰り着いたのは22時前。今日は我ながらよく頑張った。ちなみに,東京から沼津までは150q。これが今の僕の限界かな。

ここが国道一号線最高所。正直、なめてました。  冗談抜きでしんどかった。


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