阿蘇の旅
3日目(4/30) -とても悔しい,雨のやまなみ- 

 朝。雨は止んでいないかと期待したが,そううまく事が運ぶはずはなくて雨のスタート。10時にエイドステーションを出発。ここにはいろいろとお世話になった。 また来よう,今度は天気のいい日に。さて,そこを出てまずは長者原へ。大したアップダウンはなく,楽に到着。ただ,霧が相変わらずきつい。あと雨も。

 そこから先は牧ノ戸峠への道。タイトコーナーが続き,雨も強くて「勘弁してくれー」って感じ。でも,天気さえ良ければそれ程きつくはないかも。 山を巻いて登るからね。距離も思ったほど長くはない。峠は1300メートルを超えたところにある。初めての1000メートル突破にちょっと喜びも。 峠のパーキングに着くと,なんとチャリが3台。今回初めてのチャリダーだ!でも,一見話しかけてこない感じだったのでちょっと残念。 ・・・と思ったけど挨拶したら一緒に昼ご飯を食べることに。どうやら二人と一人の組で,ちょっと前にここで出会ったばかりのようだ。 しかも,一人で来ている方はバリバリのクロカンレーサー。チャリすごすぎ。しかもテントなしで旅しているらしい。 あとの二人は恋人同士かは分からないが二人旅をしているようだ。みんな僕とは反対側から来たらしい。1時間ほど話をして,一緒に写真を撮って別れる。 それにしてもここは牧ノ戸峠の最高所,しかも雨ということでかなり寒かったなあ。絶対風邪引くよね。

 さあ,気を取り直して南へ。ところが走り初めて異変に気づく。「パンクだ!」しかしここは下り坂。チャリはガコンガコンなり,本気で死の恐怖を感じた。 すぐに止めてタイヤを見るが,パンクの箇所は小さいらしく,空気を入れながら騙し騙し走ることができそうなので,修理はやめて走ることに。 こんな天候でパンク修理してもゴムのりが乾かないもんね。それならスペアチューブを,といきたいところなんだけど, あほなことにスペアチューブ持ってくるのを忘れてしまったのだった。なにやってんだか・・・。

 5キロに一回のペースで空気を入れ,先へ進む。ずっと下り坂だったのに,もったいないことをした。しかも晴れていたら本当に最高だったろうに。残念。 今日は,昨日に比べれば雨も弱くなっていい感じだったからからなあ。目的地である坊中キャンプ場には3時過ぎ着。 ここは,阿蘇山頂へのメインルート沿いにある大きなキャンプ場。阿蘇駅から上りが3キロほど。620円。 毎年この時期にはソロ,ファミリー問わずキャンパーで一杯になるらしい。果たしてこんな天気でも人は集まってくるのだろうか。

 テントを張り終えると,浜松(こんなところで地元ナンバーのバイクと会うとは!)から来たライダーの方と仲良くなって,色々と話を聞いた。 17時を回ってパンクを直し,温泉へ。そこでは英会話教室の先生をしているイギリス人二人と話をした。 キャンプ場へ行く途中にあるユースに泊まっているらしい。このユースも結構人気があるみたいだ。何だか今日は出会いが多いなあ。 これってすごくいいことだよね。天気悪くても十分に満足できた。ホント,出会いは素晴らしい。夜はライダーの兄ちゃんと一緒にご飯を食べ,眠りにつく。 そろそろ晴れて欲しいと願いながら。


4日目(5/1) -多くの出会い,すばらしい。- 

 5時過ぎには明るくなり,起床。明るいから天気は回復したか?と一瞬期待したが,テントを出るとそこには曇り空が。まったく,いつになったら晴れるのだろう。 ライダーの方たちと一緒に朝ご飯。・・・そういえば,今回は学生の旅人が少ないなあ。というか,話をした人の中には,未だ学生はいない。 ま,いずれ会うだろうし,学生だろうが社会人だろうが関係ないのだけど。とはいえ同年代の旅人がいないのはちょっと寂しくもある。

 食後は二度寝。こんな天気では動く気もしない。11時過ぎに再び起きて,温泉まで歩いていくことに。・・・とそのとき,外国人のバックパッカーがやってきた 。戻って話しかけてみる。カナダ人である彼の名はBruce。昨日温泉で出会った人と同じように英会話教室の先生だった。 しかも大井川の!静岡に住んでいる人と二日続けてこんなところで出会うとは,いやぁびっくり。 彼はこれから山に登るというので,昼から登るのはちょっとは心配だったが,夜一緒に酒を飲む約束をしていったん別れる。

左からケイさんペア,RANBU,ヌマさん,Bruceさん。ケイさんのカメラで  買い出しと温泉を済ませキャンプ場に戻ってくると,人が増えていた。僕の近くにテントを張った人に声をかけてみる。横浜からバイクで来たヌマさんだ。 沖縄へ自転車で行ったこともあるらしく,しばらく話をして盛り上がる。しばらくすると,今度はバックパッカーの二人組が来た。 大阪から来たケイさんだ。彼女と一緒に来ている。普段はチャリダー,しかも八重山好きときた。これは気が合いそうだ。そんな感じで,日は落ちていった・・・。 結局今日も天気は回復せず。

 日が落ち,夕食をヌマさん,ケイさんたちと一緒にとることに。しかし,ここで何か忘れているぞ。 そう,Bruceさんだ。日没までには戻ってくるよと言って出ていったものの,なかなか帰ってこない。 ヌマさん達に話して探しに行こうとするが,向こうがどこにいるのかわからないからむやみに出て行くわけにも行かない。 しばらく心配していると,8時頃になって帰ってきた。よかったよかった。3人に紹介して,これでメンバー勢揃い。炊事場で酒盛りをする。 他愛のない話などをして盛り上がったが,こういうのは本当にいいものだ。出会いはやっぱりいいよね。よし,今回は「出会いの旅」にしよう! そして,「天気が回復して晴れた阿蘇を拝むまではここに居座ろう」と,このとき思ったのである。


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